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【8月15日】山に思う

よく一口に、京都・奈良と言われたりしますが
全く違うということを、奈良に来てみると強く実感します。

奈良市内から電車で30分ほど、三輪に移動すると、大神(おおみわ)神社があります。
ここは三輪山をご神体とする神社で、登拝できることをたまたま知りました。

山に神さまがいるというのは古くから日本人が信じてきたこと。
今はお盆というと、身近な亡くなった人をお迎えする意識が強いかもしれませんが
もともとお迎えする祖霊(それい)は、山からやって来てまた山へと帰っていきます。

私も三輪山へ登ってみました。
何を感じるかは人それぞれなので、胸の内にしまっておきますが
山に入ると、人間は小さいな、と感じます。
さざ波のように押し寄せてくる自然への畏れの感情。

日本の考え方に、人間は自然の一つととらえるということがあります。
その辺に生えている草も人も、おなじ命。自然のうちの一つである。
これが国が違うと、自然の上に人間がいる。自然を支配する、と考えたりする。
和食が、素材の味を生かす引き出す料理法なのにも、こういった背景があるんですって。

夕方、夕焼けが見られるかなと期待して散歩に出ました。
西の方角だけでなく、空のあちらこちらが茜色に染まっていて
思わず息を呑みました。

きれいと思う一方で、なんだか落ち着かない、何かに飲み込まれてしまいそうな空気。
昔の人も、こういう空気を感じていたのでしょうか。

夕暮れどき 一の鳥居

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