【10月18日】欠けの美
今日は十三夜です。みなさん、月は見ました?
東京では雲がありつつも、澄んだ空に明るい月が輝いていました。
十五夜の後の十三夜は「後(のち)の月」と言われ、どちらかしかお月見をしないのは「片見月」といって嫌われました。
秋になると月がとてもきれいで、十五夜の月は一年の中でも最も美しいと言われます。
すっかりお月見好きになってしまった私は、月を見ながらお酒を飲んだりして
ゆっくりと雲間からのぞく月を観て過ごすのが最近は慣例となってきました。
私が月見月見と騒いでいたら、だんだん家族が付き合ってくれるようになって
今日は珍しく家族と犬で外に出て、お団子をつまみながらしばし月を眺めました。
しかし昨日から急に夜が冷え込んできたこともあり、そうそうに家族は引き上げて
気づけば犬と私だけ笑。それでも贅沢な時間を過ごしました。
十三夜は満月とは違って、満ちる前の月。よく見ると左のほうが丸くはありません。
不完全なものに美を見出すのは、日本人特有の美意識なのでしょうか。
十五夜は中国の中秋節から来ていますが、十三夜のお月見は日本だけの行事です。
心理学で「欠けの円」というのがあって、完全な円よりも欠けている円の方が人は気になるものであり
不完全なところに目が行きやすい、というのを聞いたことがあります。
できていることは当たり前で、できていないところばかりが目につくものだ
ということを頭に入れて、できていること・いいところにもきちんと光を当てよう、という
メンタルヘルスの研修で聞いた話でした。
十三夜が気になるのも、もしかしてそんな意識が働いていたりするのかなぁと
月を見ていて思ったりします。
完璧な人なんていないし、欠けてるところがあるから愛おしい。
何もしないでゆったりとただ月を見る。こんなゆったりとした時間はあるようでなかなかないもの。
心の余裕があると、物事を見る目もきっと丸くなれるのかもしれません。