【6月11日】しゅーーっと
真夏日の東京、なんでこんなに暑いのと思ってから3日目になりました。
暑くなるのは嫌いではない私が、若干の恨み節を込めてお日様を見ております。
というのも、週末の講座に向けてちょうど実習のお材料をお届けする準備が
ここ3日で佳境だったわけですね。
遠くは九州や新潟といった、遠方まで旅立っていく荷物たち。
その中には、生の材料も入っているのです。
今回は旧暦での端午の節供がテーマですので、菖蒲と蓬。
蓬は、スタッフゆかりの長野の地で丁寧に根から掘り起こして採取。
土から抜いたらすぐにヘナヘナになって、配送に耐えられないのではと心配し、
抜いたものが1週間でどう変化するかというテストまで実施しました。
ヘナヘナ予想を裏切って、意外と元気で過ごせているぞ!という結果を見て
今回しつらいの実習に加えてみたのですが。。
なんですか30度って。しかも3日も。そりゃ話が違いすぎる!
過酷すぎるでしょうよ!と誰に届くわけでもない愚痴を心の中でこぼしつつ。
とにかくへばらず無事に届くよう念を込め、本日皆さんの元へと送り出しました。
一方の菖蒲は、以前からお付き合いのある奈良にお願いしました。
菖蒲って、5月5日の時にはまだまだ小さくて、葉が伸び始めたばかりなんです。
本来は。
それが、旧暦のタイミングでは、ながーい!
1メートル以上葉が伸びるらしく、それでは長すぎるのでと、贅沢にも
なるべく短めのものをリクエストし、送ってもらいました。
荷物を開けたら、青々としたいい香り。
とにかくしゅーっと長く長く伸びて、迫力があります。
まさしく旬!伸び盛り!といった様子。短めといっても葉先は十分長い。
しおれず、変色せず、いい状態で届いたら、とお世話しましたが、なんですこの
暑さ!かなりのスピードで葉が薄く、黄色に変色し始めています。
最悪、届いた荷物を開けたら黄色の菖蒲が出てこないとも限らないと、
再度送ってもらうよう、お願いしました。
またまたしゅーーっと長く美しい、今日の菖蒲。
しかし、お節供で使う菖蒲の大事なのは葉ではなく、根!
(花菖蒲とは別の品種です)
黄色くなった葉を1枚むしると、根からとっても清涼感のあるいい香り。
まさしく「香り菖蒲」という呼び名がぴったりです。
実際に見て触れていただきたいから、毎回悩む生ものの配送。
前回は桃が満開のタイミングで、いつまでもつかハラハラでした。
本当は住んでいるところの近くで、自分で調達できるものを使うのが醍醐味と
思うのですが、手に入れるにはお店で買うしかないのも東京の悲しい現実。
うちの近くで草や木がたくさんあった場所にも手が入って
自然のある場所がどんどん消えていっています。
寂しさと同時に、危機感を感じます。
旬の食べ物は身近にあっても、植物の旬や力に触れることはそうありません。
これって、知っているか知らないか、というちょっとした体験が
アンテナを広げるきっかけになる気がします。
こういう旬の情報、大人になるほどに知っておきたい。ですねぇ。
では、旅に出た菖蒲と蓬の無事を祈りつつ、今日はこのへんで。